kanatyの高校時代の大切な思い出を綴ってます  
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第26回 2005年3月24日(木)
デート

学校帰りにサトルくんと会うことになった。
待ち合わせは港の公園。
お互いの帰り道にちょうど良いトコロが、港の公園だった。学校は違うし家も反対方向だから、なかなか会えないけど、こうやってみんなの知らないトコロで待ち合わせて会うのって、すごくドキドキして嬉しい。

公園に着いたら、彼はもうベンチに座って待ってくれていた。
遠くから眺める彼は、とてもカッコよかった。
もちろん、近づいてもカッコいい。
私は、「遅くなってごめんね」と言いながら彼の横に座った。彼の優しい笑顔が眩しかった。
私達は、毎日電話で話しているのに、それでもまだ足りないくらいいろんな話をした。
この日のサトルくんは、この先の自分の進路についても話してくれた。
彼は、東京の大学に進学したいらしい。
しかも、二流でも三流でもいいから、推薦でいけるトコロに早く決めたい…と言っていた。
私は、もしも行けるなら有名な大学の方がいいのにな…と思ったけど、黙って彼の話を聞いていた。
だって、私も卒業後は東京の大学へ進学したいと考えていたからだ。
うまくいけば、卒業後も二人は離れ離れにならなくてもすむということだ。
未来は明るい。
神様は私達を応援してくれてるんだな…と感動した。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
別れ際に、
「今週の土曜にサッカーの試合があるんだ」
とサトルくんが言い始めた。
「知ってるよ。でも、その日は応援団の練習があって見に行けないの。ごめんね」
と私は答えた。それに、違う学校の生徒が応援に行くのは勇気がいる。
「うん、わかってる。あの〜」
なんだか言いにくそうだった。
「なぁに?」
「もし、その試合で勝ったら、って言うか、僕がシュートを決められたら、チューしてくれる?」
私はドキッとした。
恥ずかしくて、「え〜っ」としか答えられなかった。
きっとサトルくんは、勇気を出して言ってくれたんだと思う。私のことを、いつもすごく大切に扱ってくれていたから。
でも私は、恥ずかしくて、『いいよ』の一言がどうしても言えなかった。
ココロの中では『いいよ』って言ってたのに…
私はそういう点では、とても奥手なんだ。
もう少し積極的になりたいと思いながら、どうしても恥ずかしくてできない。
サトルくんは、私がキスを拒否したと思ったらしく、とても悲しそうな顔をした。
だけど私にはどうすることもできなかった。
サトルくんの方から、自然と私の背中を押してくれたらいいのに…と思った。
だって、そういうのって、その時の雰囲気でなんとなくするものなんじゃないの?
私って、プライドが高いんだろうか。
こんな時、他の女のコはどうしてるんだろうか。
どうしても、男のコにとってかわいい女のコになりきれない私がいた。
こんなに好きなのに…

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第25回 2005年3月3日(木)
シアワセ

同じクラスに、サトルくんと仲の良いサッカー部員がいる。
彼は、サトルくんと同じ中学の出身だ。
結果的には、彼が恋のキューピットみたいな役目をやってくれたお陰で、私はサトルくんとつき合うことができた。
とても優しくて良い友達だ。
彼にはすっごくラブラブな彼女がいたから、男友達として安心できたのかもしれない。
考えてみれば、サトルくんと出会う前、私には憧れていた先輩がいた。
大好きで、いっつもその先輩の話をしていた。
話と言っても、朝礼の時姿を見たとか、廊下ですれ違ったとか、挨拶をしたとか、ヒトからみたら些細なコトなんだけど、私にしてみれば超ハッピーな出来事。
その先輩に彼女がいるってわかった時、すごくショックで泣いてしまった。
その時彼は、「どうするの?これからも好きでいるの?」と私に聞いた。
私は、「他の女のコを好きなヒトのことを、これからも好きでいるなんてできない」と答えた。
きっと、その頃の私は、ヒトを好きになるってことがどういうことなのか、わからなかったんだと思う。
恋にはいろんな形があるってことを知らなかった。
もちろん、恋の先に愛があるってことも…
もしかしたら彼は、私に、誰か他に良いヒトがいないかな…って考えてくれていたのかもしれない。
ちょうどその時、彼の友達のサトルくんが、私のうちでバイトをしていた。
そして私の父は、サトルくんを相手に、自分の娘の話をよくしていた。
私が言うのも変だけど、父は私のことを、すごくかわいがってくれてたんだ。
年頃の私にとって、たまにウザイ程に。
男親ってそんなものなのかもしれない。
ある意味、父のお陰で、サトルくんは話題の娘がどんなコなのか、興味を持ってくれたのかもしれない。
そんな感じで、私とサトルくんは、周りのヒト達のふんわりとした優しい力を受けて、少しずつ近づいていった。

ある日、その男友達が、
「サトルのやつ、お前のこと、かわいいって毎日電話してくるんだぜ。お前の誕生日に洋服を買ってあげたいって、バイトも増やしたんだって〜」
…と教えてくれた。
私はホントにホントにすっごく嬉しかった。
こういうのを幸せって言うんだろうなぁ。。
来月の誕生日が楽しみ!

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第24回 2005年2月16日(水)
以心伝心

学校帰りはとてもお腹が空く。
私と友達は、デパ地下の食料品売り場の一角にあるファーストフード店で、ソフトクリームを食べるのが大好きだった。
そのお店は、ジュースやアイスクリーム、たこ焼き、たい焼きなんかを売っていた。
小腹減り対策にはもってこいのお店。
しかもその横にちょっとした休憩スペースがあって、長椅子とテレビが置いてあるので、いつもお金のない高校生で溢れていた。
喫茶店に入るより安くつくし、長居もできる。
友達とは、休憩時間にもおしゃべりをして、授業中に小さな手紙も交換しあう。
それでも足りなくて、こうやって放課後もおしゃべりをする。
その上、高校生のお腹具合も不思議だ。
いくら間食をしても、ちゃんと夕飯も食べれる。
まぁ、その分脂肪として体にくっついてるんだけどね。
とにかく、毎日が楽しくて仕方なかった。

その日は、応援団の練習があって、思いっきり体を動かしたので、お腹がペコペコだった。
私と友達はいつも通りデパ地下へ向かい、ソフトクリームを注文しようとしていた。
その時、ふと、誰かの視線に気づき顔を上げた。
サトルくんだ!
でも私が気づくより先に、友達の方が彼の存在に気づき、楽しそうに話しかけたところだった。
一瞬の出来事で、私はただ驚いた顔のまま黙っていた。
よくわからないけど、突然不安な気持ちが、私のココロに生まれたんだ。
ただ、私より先に友達が彼と話しただけなのに…
自分でもよくわからない感情だった。
サトルくんは、いつもの笑顔で私の友達と話し、少し困った顔をして私に近づいてきた。
「今日、電話していい?」
サトルくんが聞いてきた。
「いいよ」
私達は軽く話をして別れた。
彼に私の不安な気持ちが伝わったんだろうか?
いや、そんなはずはない。
すぐに笑顔を作り直したから、大丈夫。
きっと大丈夫。バレてない。
友達は、会えてよかったねと言ってくれた。
そんな優しい友達に対して、私は一瞬でも嫌な感情を芽生えさせたことが、申し訳なかった。
私って嫌なコだな。
でも会えてよかった。ホントに。
待ち合わせをして会うのも嬉しいけど、こうやって偶然会えるのは、もっと嬉しい。
だって運命みたいな感じがするから。
まぁ、大袈裟だけどね。

家に帰ってすぐ、サトルくんから電話があった。
「彼女とはなんでもないからね」
彼は開口一番そう言った。
私は恥ずかしかった。
サトルくん、私の不安な気持ちに気づいたんだ。
「うん。知ってる」
本当に驚いた。
「よかった」
彼は、心底ホッとしたという感じでそう言った。
私は泣きそうだった。
こんなにちゃんと、私のことを見ていてくれているなんて、すごく嬉しい。
男のコに、こんなにも優しくされたのは初めてだった。
ごめんなさい。
私はココロの中でそっと呟いた。
ヤキモチ。認めたくないけど、そういう感情だったんだ。

こんなに彼のことを好きになっていたなんて・・・

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第23回 2005年1月24日(月)
新学期

楽しかった夏休みもあっと言う間に終わった。
わたしのココロはハッピーでいっぱい。
そして次の楽しみは運動会。
どうしてかと言うと、応援団になったからだ。
応援団とは、学年ごとに何か余興を披露して運動会を盛り上げるという役目。
私達二年生はダンスをすることになった。
衣装もみんなでデザインして、同じ布を買って、それぞれ手作りで揃えることになった。
と言っても裁縫は苦手なので、私は母に作ってもらうことにした。
私の母は裁縫が得意。
まるで魔法でもかけたかのように、ちょちょいのちょいってな感じでなんでも簡単に仕上げてしまう。
小さい頃の私の洋服は、母の手作りが多かった。
デパートや雑誌で見たかわいい洋服を、ささっと作ってしまうのだ。
母の手から生まれてくるモノ達が大好きだった。
実は、学校の課題も、こっそり手伝ってもらっていた。
私はどうも手先が不器用で、ボタン付けが精一杯なんだ。中学の時に流行っていた、フェルトで作るマスコットも、どうしても上手く作ることができなかった。
編み物もダメ。
だから、手作りプレゼントなんてしたことがない。
一応挑戦はするんだけど、どうしても最後まで仕上げることができない。
できても下手過ぎて、人に見せられない。
切実に、手先が器用な人が羨ましいと思う。

私達二年生の応援団は、「ライオンは寝ている」という曲でダンスをすることになった。
色々と候補があったけど、みんなに受け入れられそうだということで決まった。
とても有名な曲で、当時流行っていたんだと思う。
私はダンスは大好き!
だけど、ステップを細かく覚えるんじゃなくて、音楽と共に雰囲気で覚えるので、途中で止められると、次がわからなくなってしまうという問題がある。
だから一番前で踊るのは苦手。
できれば常に誰かを見ながら踊りたい。
SMAPでいうとゴローちゃん状態。
バック転もしたらどうか…ということになって、練習してはみたけれど、くるっと体を宙で回すなんて、私には恐くてできなかった。
バック宙が得意の093が羨ましい。
側転ならなんとかできるので、それで行くことにした。
10月の運動会までの週3回は、部活を休んでダンスの練習。
サトルくんとは、毎日電話でおしゃべりをしていた。
早く帰れそうな日は、会おうね…と言いながら、お互いに時間が合わなくて会えない。
今みたいに携帯電話で、簡単に連絡は取れないから、会いたいのに会えない日が続いていた。

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第22回 2005年1月11日(火)
夏休み最後の日

「うちに遊びにおいでよ」
サトルくんから誘われた。
なんだか、私のことを受け入れてくれてるっていう感じがして嬉しかった。
どんな家で育ったんだろう。
どんな部屋で毎日を過ごしているんだろう。
サトルくんのことなら、なんでも知りたい。
もっともっといろんなことを知りたい。
その頃の私は、そんな気持ちで一杯だった。
そして、私にも彼氏と呼べる人ができたんだなぁ…とシミジミと感動もしていた。
そんなの、私にとっては夢の話だと思っていた。
テレビやマンガでの出来事でしかないと思っていた。
だけどこれは現実。
サトルくんのあったかい笑顔が好き。
私を見る時の優しい眼差しが好き。
二人で一緒にいるだけで楽しい。
私の思いは募るばかりだった。

サトルくんが私の家の近くまで自転車で迎えに来てくれるのは、恒例となっていた。
そして私達はいつも通り二人乗りで彼の家まで行った。
途中、警察官に二人乗りを注意されてしまった。
急いで降りて、「ごめんなさい」と二人で謝った。
でも悪いコトを一緒に注意されたということが、なんだかもっと絆が深まったような気がしておもしろかった。
こうして二人だけの秘密が少しずつ増えていく。
それにしても、彼の家に遊びに行くというのは、女のコの家に遊びに行くのとは違ってドキドキする。
彼のお母さんに挨拶するのも、いつもより丁寧にした。
やっぱり良いコに思われたかったんだ。
だけど、とっても優しそうなお母さんだったので、私の中の不安は一気に吹っ飛んだ。
彼の部屋は思ったより、スッキリした感じだった。
窓際に勉強机が置いてあって、壁際にはベッド。
あとは本棚があって、真ん中に低い机が置いてある。
私の部屋みたいに、アイドルのポスターもぬいぐるみも置いてなかった。
男のコの部屋ってこういう飾り気がない感じなんだな。
私達は机に向かい合って座って、彼のお母さんが持って来てくれたジュースを飲んで、クッキーを食べながらおしゃべりをした。
その間、彼はずっとサッカーボールをいじっていた。
彼はロックとサッカーが好き。
中学の頃、バンドも組んでいたらしい。
高校生になってサッカーに夢中になった。
そういうことを少しずつ知っていくのは、すごく嬉しくて楽しかった。
「明日から学校が始まるね」
「バイトはどうするの?」私が聞いた。
「土曜日の朝はするよ」
「じゃあ、毎週土曜日に会えるね」
「学校が終わった後も会おうよ」
「部活は?」
「部活が終わった後とか」
「うん」嬉しかった。
「港の横の公園で待ち合わそうよ」
「うん」ホントに嬉しかった。
私達だけの約束。
できることなら毎日会いたかった。
だけど学校が違うから、会える時間が少ない。
私は、同じ学校同士のカップルが羨ましくて仕方なかった。同じ学校だったら良かったのに・・・